日経ビジネスの人気連載(?)にマツダの藤原大明神の話が載っています。
マツダのR&Dなどのを担当する藤原氏が、インタビューの中で色々と興味深い話をしています。デザインのうんと優れたクルマを目指す
藤:藤原氏、F:フェルディナント・ヤマグチ氏藤:プレミアム感と言っていいのかな。オーナーズカーとしてお客様に買っていただけるような、所有していただけるような価値を持ったクルマにしなくちゃイカンということです。
F:イコール、もっと価格の高いクルマ、ということでしょうか。高級路線を目指す?
藤:そうではありません。例えば……デザインのうんと優れたクルマです。今の我々が、どうしてこれだけデザインにこだわり抜いているのか。凝りに凝っているのか。やっぱり我々が生き残っていく方向は、それしかないと思っているからです。東京モーターショーに出展した“マツダ VISION COUPE(ビジョンクーペ)”。フェルさんにも見てもらいましたよね。やっぱりあのデザイン、欲しくなるわけですよ。僕らは会場でお客さんの流れを観察していたのですが、みんな足を止めて、「おっ」という顔をして興味深そうに見ているわけですよ。これが写真です。良いでしょう?
マツダプレミアムの解釈の一つ、より洗練された鼓動デザインによる「優れたデザイン」ですね。決して価格が高いと言うことではないと釘を差しています。
CX-8は多人数乗用車に対するマツダの回答
F:ミニバンから撤退して大型SUVにシフト、というのは、そうした背景があったのですね。
藤:そこが(多人数乗車の市場に対して)唯一我々が打てる手、ということなんです。
F:ミニバン乗るくらいなら、CX-8に乗ったほうが絶対カッコ良いものね。
藤:そう。それが我々の回答です。単に人や荷物を運ぶのではなく、単に移動の手段ということではなく、所有する価値のあるクルマ、運転する喜びのあるクルマ。オーナーズカーとしての我々の回答がこれです。
この前段に「トヨタとホンダと日産の壁は壊せない」と藤原氏が話しており、結局、マツダにとってミニバンは商売にならなかったと...少し言い過ぎのような気がしますが、CX-8は売れたので言えちゃうのかな。
『マツダ』をオーナーズカーのブランドとして確固たるものにする
藤:そういうことを考えると、今のうちに本当にマツダというブランドをそちらの方向にガッと持っていけるかどうかで、それこそマツダは生きるか死ぬかという状況にあるという認識です。オーナーズカーのブランドとしての確固たる地位を、今の時期にキチンと築いておかなければイカンと思っています。
この話の続きが微妙で、輸入車とマツダ比べると「お買い得」、日本車と見ると少し高い。ここがマツダの唯一入っていける場所と藤原氏は言っているのですが...「そこから少しずつでも価値を高めていくことができればと思っています。」...と続けています。価格の話をしながら「価値」を高めるとなれば、価格が上がることを暗喩していないでしょうか。不安。
そして、プレミアム繋がりで、レクサスのような別ブランドを作らないのかとふられた藤原氏は、
藤:だから、マツダがセカンドブランドとか、あるいはディフュージョンブランドをやってはいけないと思っています。これからは絶対にないです。ときっぱりと話しています。でも、プレミアム(ラグジュアリー?)はともかく、スポーティーなブランドは、「SUVの次」を考えると準備しておいたほうがよろしいのではと...。
マツダはそれだけは絶対やらん!:日経ビジネスオンライン